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最高裁判所第一小法廷 昭和60年(オ)872号 判決 1987年4月23日

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人野島潤一の上告理由について

債権の一部について代位弁済がされた場合、右債権を被担保債権とする抵当権の実行による売却代金の配当については、債権者は代位弁済者に優先するものと解すべきである(最高裁昭和五六年(オ)第一一七五号同六〇年五月二三日第一小法廷判決・民集三九巻四号九四〇頁)から、債権者は、代位弁済者の求償権が消滅したと否とにかかわらず、自己の有する残債権額及び被担保債権額の限度において後順位抵当権者に優先して売却代金の交付を受けることができるものというべきである。そうすると、原審の適法に確定した事実関係のもとにおいて、本件不動産の売却代金につき、被上告人に対し、その残債権額及び根抵当権の極度額の限度内において、後順位抵当権者に優先して交付すべきものとした本件売却代金交付計算書は相当であり、上告人の請求は理由がないとした原審の判断は、結論において正当である。論旨は、独自の見解に基づき原判決の不当をいうものにすぎず、採用することができない。

(裁判長裁判官 角田禮次郎 裁判官 高島益郎 裁判官 大内恒夫 裁判官 佐藤哲郎 裁判官 四ツ谷 厳)

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